アノテーションとAPIレスポンスをアサーションできるライブラリ作った
概要
アノテーションと API レスポンスをアサーションできるようにするPHPのライブラリを作った。
アノテーションは、swagger のフォーマットを基準にしている。 swagger の説明は別に書いた ので、必要であれば参照してほしい。
インストール
composer からインストールする
"require-dev": { "gong023/swagger-assert": "dev-master" }
なお、PHP5.4 以上必須。
実例
以下の様な API があり、そこに swagger のフォーマットでアノテーションが書かれていたとする。
swagger-assert を使うと、/plain
のレスポンスが、swagger の記述どおり id
と name
キーを持っているかをアサーションできる。
<?php ** * @SWG\Resource( * resourcePath="plain", * @SWG\Api( * path="/plain", * description="plain api structure", * @SWG\Operation( * method="GET",type="SimpleMember",nickname="plain" * ) * ) * ) * * @SWG\Model( * id="SimpleMember", * @SWG\Property(name="id", type="integer", required=true, description="user id"), * @SWG\Property(name="name", type="string", required=true, description="user name") * ) */ $app->get('/plain', function () use ($app) { $response = [ 'id' => 0, 'name' => 'kohsaka' ]; return $app->json($response); });
使うには、まずテスト開始時に、SwaggerAssert::analyze
を呼ぶ。引数には、アノテーションを書いたファイルがあるディレクトリパスを渡す。
<?php // testing bootstrap.php \SwaggerAssert\SwaggerAssert::analyze($targetDir);
続いて、テストクラスで SwaggerAssert::responseHasSwaggerKeys
を呼ぶ。引数に必要な情報は以下である。
- 第一引数:API レスポンスの配列
- 第二引数:リクエストの HTTP メソッド名
- 第三引数:リクエストのエンドポイントの URL 名
PHPUnit を使って先述の API をテストする場合、以下の様なコードになる。
<?php class PlainApiTest extends \PHPUnit_Framework_TestCase { public function testResponseHasSwaggerKeys() { $response = $this->request('get', '/plain'); $result = \SwaggerAssert::responseHasSwaggerKeys(array $response, 'get', '/plain', $onlyRequired = true); $this->assertTrue($result); } }
\SwaggerAssert::responseHasSwaggerKeys
は API レスポンスのキーと swagger に記述されたキーを比較し、一致した場合は true を返す。一致しない場合は以下のようにエラーメッセージを出力する。
SwaggerAssert\Exception\CompareException: Failed asserting that API response and swagger document are equal. --- Response +++ Swagger @@ @@ Array ( - 0 => 'id' - 1 => 'name' + 0 => 'name' )
なお、引数の四つ目はオプションである。 false を渡すと swagger で required=false になっている必須レスポンスでないキーもアサーションの対象にする。デフォルト値は true になっている。
動機
開発に swagger を導入しているプロジェクトがある。 swagger の導入により API の仕様を記述するための統一されたフォーマットが提供され、またアノテーションという形でコードに近い場所で仕様が読めるようになった。これらのおかげでドキュメント事情は wiki で管理するよりも良くなった。
一方で、swagger の内容と実際の API レスポンスが一致しないというトラブルもよく起きた。食い違いがあると、ドキュメントは混乱の種となり逆に開発を阻害してしまう場合すらある。
これを解消するため、API の結合テスト時、レスポンスが swagger の内容と一致しているかどうかをアサーションできるライブラリを作成した。
雑感
すごく雑に思ったことを書く。
swagger-assert と autodoc
autodoc というグレートな gem があり、これはテスト中のリクエスト及びレスポンスをそのまま markdown に吐き出してくれる。 このアプローチを取る限り、ドキュメントとレスポンスに食い違いが生じることはない。 つまり単純に「ドキュメントとレスポンスが食い違う」という問題を解決したいのならば、autodoc のようなアプローチをとるべきであり、swagger-assert のアプローチは非常に筋が悪い。
一方で、swagger に厳しいほど色々なパラメータが用意されているお陰で、アサーションを楽に行えるケースもある。 例えば autodoc のようなアプローチだとレスポンスパラメータの型を知ることはかなり困難だが、swagger からなら簡単に導き出せる。 また、ご存知の通り卓球ハウスには id:r7kamura がいるので色々聞いてみたところ、テストクラスに決まったフォーマットを要求するため既存のプロジェクトに導入への面倒くさい、とかいくつか欠点もあるらしい。 そういった意味ではどこにでもアノテーションさえあれば良い swagger-assert の方が導入は楽ではある。
あとはそもそもドキュメントとして swagger の方が圧倒的に情報量が多いとかそういうメリットもあるが、代わりにアノテーションの仕様について覚える手間もある。 総じて、低いコストで十分なドキュメントを得られる autodoc と、学習コストは高いが詳細なドキュメントを得られる swagger という傾向はあると思う。 まぁ、gem と composer 比べてどうすんだという話はあるが、アプローチの違いが面白いのでまた色々考えてみたい。
PHP
自分は世間で言われているほど PHP が悪い言語だと思っていなくて、むしろゆるく Java っぽく書けるところは割と好きだったりする。 (そもそも Java がそんな嫌いじゃなくて、ああいう言語でドメインオブジェクトが先鋭化されていく時に感じる万能感は ruby が謳う万能感とはまた違う気持ちよさがあると思う。)
ただ、PHP の array はどうしても頂けない。PHPの array はかなりフリーダムな仕様で、collection も勝手に hash にしてしまう。例えば、array(‘a', ‘b', ‘c’) は array(0 => ‘a’, 1 => ‘b’, 2 => ‘c’) にしてしまう。 当然 array の中の型を一律に保証することもできない。string も integer もユーザー定義のクラスも一緒くたに array に混ぜることができる。もっと言えば key にくる型も特に保証できない。 また、全てがオブジェクトという言語でもない。そのせいか知らないが、PHPはとにかくなんでも array にぶち込んで返す習慣が横行してしまっている。少し気を抜くと返ってくるのは大抵このフリーダム array になる。 このため、ことPHPだとプログラミングの労力の多くをこのフリーダム array との闘いに費やさなければならない。 そんな状況を知ってか知らずか、PHPには array 操作のための組み込み関数が異様に多い。
ただ、それらは array を丁寧にクラスにしてあげれば大抵解決できる話なので、なるべく組み込み関数を使わないようにすることを心がけた。 その甲斐あって、30クラス1387行のライブラリで array 系組み込み関数は9回しかでてこない(適当な grep なので間違っているかも)。ちなみに組み込み関数自体の出現は24回。
grep している間に何が言いたいのかよくわからなくなってきたが、要は The ThoughtWorks Anthology にオブジェクト指向強制ギプスというのがあるが、 PHPに限った話で言えば組み込み関数を使わないでプログラミングするとそれっぽい効果が得られるかも、みたいなことが言いたかった。強制ギプスほどキツい制約ではないのでヌルくやるにはオススメかもしれない。
アノテーションからドキュメントを作れるswaggerの使い方
swagger の概要と、基本的な使い方をサンプルを交えて書く。
なお、終始 PHP なので気をつけて下さい。
swagger の概要
開発ドキュメントをどうやって書くかという話題は常々ある。そして一番素直なアプローチを取ると、大抵 wiki みたいなアプリケーションを用意して、そこにドキュメント書こうぜという話になる。しかし、この管理は割とすぐ破綻してしまう。 理由はいろいろあるが、最新のコードに追従できなくなるとか、統一されたフォーマットを保証できず書き手によっては何を書いているのか全くわからないとかそういうケースが多い。
前者について、 swagger はアノテーションでドキュメントを書けるので違いは起きづらくなる。( それでも不足だが自分でライブラリ作って補った )
また後者に関していえば、swagger は API の仕様を記述するためのフォーマットを提供してくれる。
つまり、swagger は API の記述方法について考える手間を肩代わりし、また違反があれば解析の段階でエラーを吐くのでドキュメントの一貫性保証もしてくれる。
swagger のアーキテクチャ
swagger とは厳密には API の仕様を記述するためのフォーマットのことを指す。しかし、実際には以下のドキュメントを生成してくれるライブラリの総称として使われることが多い。
ライブラリの「総称」といったのは、上記ドキュメントを生成する手順は以下の2つのレイヤーからなるため。
1. swagger(-core?)
2. swagger-ui
- 上記で吐き出されたjsonファイルをパースし、ドキュメント化する。
以下にサンプルを通して、アノテーションの記述からドキュメントの生成までの一連の流れを紹介する。
swagger を使ってみる
完成品は以下に上げてあるのでそこだけみてもよいかもしれない。また、各ブロックの説明と commit を対応させるように書いたので、commit だけ追ってもいける。
silex で適当なAPIを作る
とりあえずサンプルとして使う適当な API を作ってみる。API の作成自体はメインの話題ではないのでさらっと流すが、今回はお手軽にやるために silex を使っている。
<?php $app->get('/plain', function () use ($app) { $response = [ 'id' => 0, 'name' => 'kohsaka' ]; return $app->json($response); }); $app->get('/nested', function () use ($app) { $response = [ 'id' => 0, 'name' => 'kohsaka', 'birth' => [ 'month' => 'August', 'day' => '3' ] ]; return $app->json($response); }); $app->get('/collection', function () use ($app) { $response = [ [ 'id' => 0, 'name' => 'kohsaka' ], [ 'id' => 1, 'name' => 'sonoda' ], [ 'id' => 2, 'name' => 'minami' ] ]; return $app->json($response); }); $app->get('/parameter/{id}', function ($id) use ($app) { $index = [ [ 'id' => 0, 'name' => 'kohsaka' ], [ 'id' => 1, 'name' => 'sonoda' ], [ 'id' => 2, 'name' => 'minami' ] ]; return $app->json($index[$id]); });
サンプルプロジェクトのコードの差分 - create sample api
アノテーションを足していく
API ができたので、随時アノテーションを付け足してドキュメントを作っていく。
アノテーションの書き方については、公式ドキュメントや swagger-php の Examples を見るのが良い。
- https://github.com/wordnik/swagger-spec/blob/master/versions/1.2.md
- http://zircote.com/swagger-php/
- https://github.com/zircote/swagger-php/tree/master/Examples
パラメータがいっぱいあってげんなりすると思うので注釈する。なお、各々のパラメータは階層構造になっており、この階層構造を外れて記述することはできない。
@SWG\Resource
- 似たエンドポイントはここでひとまとめにする。例えば
GET /users
,GET /users/{id}
のようなもの@SWG\Api
- 一つのエンドポイントごとに書く情報
@SWG\Operations
- 一つのエンドポイントに対して複数の HTTP メソッドが割り当てられている場合必要になる
@SWG\Operation
- 一つの HTTP メソッドごとに書く情報
@SWG\Parameters
- SWG\Parameter のコレクション
@SWG\Parameter
- 想定されるリクエストパラメータに関する情報
@SWG\ResponseMessages
- SWG\ResponseMessage のコレクション
@SWG\ResponseMessage
- レスポンスメッセージに関する情報
@SWG\Model
- レスポンスパラメータに関する情報をまとめるやつ(としか言い様がない)
@SWG\Property
- レスポンスパラメータごとに書く情報
@SWG\Items
- SWG\Property がコレクション構造を取る場合これで表現する
書いといて何だが多分よくわからないと思うので、以下の実例と見比べて見たほうがよい。
シンプルなAPI構造の記述方法
手始めに最も単純な構造の /plain
エンドポイントの API にアノテーションを足してみる。
<?php /** * @SWG\Resource( * resourcePath="plain", * @SWG\Api( * path="/plain", * description="plain api structure", * @SWG\Operation( * method="GET",type="SimpleMember",nickname="plain" * ) * ) * ) * * @SWG\Model( * id="SimpleMember", * @SWG\Property(name="id", type="integer", required=true, description="user id"), * @SWG\Property(name="name", type="string", required=true, description="user name") * ) */ $app->get('/plain', function () use ($app) { $response = [ 'id' => 0, 'name' => 'kohsaka' ]; return $app->json($response); });
レスポンスは、@SWG\Operation
の type と @SWG\Model
の id を対応させることで表現する。
サンプルプロジェクトのコード差分 - add annotation to plain API
ネストするAPI構造の記述方法
レスポンスパラメータがネストする構造をとっている場合は、以下のように model を複数指定する。
<?php /** * @SWG\Resource( * resourcePath="nested", * @SWG\Api( * path="/nested", * description="nested api structure", * @SWG\Operation( * method="GET",type="NestedMember",nickname="nested" * ) * ) * ) * * @SWG\Model( * id="NestedMember", * @SWG\Property(name="id", type="integer", required=true, description="user id"), * @SWG\Property(name="name", type="string", required=true, description="user name"), * @SWG\Property(name="birth", type="Birth", required=true, description="birth day,month") * ) * * @SWG\Model( * id="Birth", * @SWG\Property(name="month", type="string", required=true, description="month"), * @SWG\Property(name="day", type="integer", required=true, description="day") * ) */ $app->get('/nested', function () use ($app) { $response = [ 'id' => 0, 'name' => 'kohsaka', 'birth' => [ 'month' => 'August', 'day' => '3' ] ]; return $app->json($response); });
サンプルプロジェクトのコード差分 - add annotation to nested API
コレクションになっているAPI構造の記述方法
レスポンスがコレクションの構造をとっている場合は、@SWG\Items
でコレクションするモデルの id を指定する。(実はこれ以外にも書き方はけどややこしいので飛ばす。)
<?php /** * @SWG\Resource( * resourcePath="collection", * @SWG\Api( * path="/collection", * description="nested api structure", * @SWG\Operation( * method="GET",type="CollectionMember",nickname="collection" * ) * ) * ) * * @SWG\Model( * id="CollectionMember", * @SWG\Property( * name="member collection", * type="array", * @SWG\Items("SimpleMember"), * required=true, * description="member array" * ) * ) */ $app->get('/collection', function () use ($app) { $response = [ [ 'id' => 0, 'name' => 'kohsaka' ], [ 'id' => 1, 'name' => 'sonoda' ], [ 'id' => 2, 'name' => 'minami' ] ]; return $app->json($response); });
ちなみに、SimpleMember
のように、既に出てきた model は再利用できる。
サンプルプロジェクトのコード差分 - add annotation to collection API
リクエストパラメータを付与の記述方法
リクエストパラメータのドキュメントを書きたい場合、@SWG\Parameters
で表現できる。
<?php /** * @SWG\Resource( * resourcePath="parameter", * @SWG\Api( * path="/parameter/{id}", * description="nested api structure", * @SWG\Operation( * method="GET",type="SimpleMember",nickname="nested", * @SWG\Parameters( * @SWG\Parameter( * name="id", paramType="path",type="string", * required=true, description="specify member id" * ) * ) * ) * ) * ) */ $app->get('/parameter/{id}', function ($id) use ($app) { $index = [ [ 'id' => 0, 'name' => 'kohsaka' ], [ 'id' => 1, 'name' => 'sonoda' ], [ 'id' => 2, 'name' => 'minami' ] ]; return $app->json($index[$id]); });
サンプルプロジェクトのコード差分 - add annotation to parameter API
swagger を実行し json ファイルを得る
ひと通りアノテーションを書いたので、これらのアノテーションから json ファイルを作る。 この手順は swagger-php をインストールしてコマンドを叩けばOK。これを swagger-ui が食う。
というわけで composer から swagger-php を入れる。
], "require": { "php": ">=5.4.0", - "silex/silex": "~1.1" + "silex/silex": "~1.1", + "zircote/swagger-php": "0.9.0" } }
はい
composer update
一応 swagger コマンドが使えるか見る。
~/xxx/swagger-assert-sandbox/ [master*] ./vendor/bin/swagger -h Swagger-PHP 0.9.0 ----------------- Generate Swagger JSON documents for a PHP project. Usage: (略)
大丈夫そうならこんな感じで実行。
~/xxx/swagger-assert-sandbox/ [master*] ./vendor/bin/swagger web --default-base-path 'http://localhost:8080' -o ./web/data/
-o 以下のディレクトリに json ファイルがちゃんと書きだされていたら成功。 -h で確認できるが、最初の引数がアノテーションの解析対象にするディレクトリ、default-base-path は swagger-ui のリクエスト先となるURL、-o は json ファイルの書き出し先になる。
サンプルプロジェクトのコード差分 - create swagger json
swagger-ui に json ファイルを食わせる
最後に、生成した json ファイルを swagger-ui に食わせる。これは結構簡単で、swagger-ui リポジトリを clone して、dist 以下をドキュメントルート以下に配置すればよい。
一点、dist 以下にある index.html の url を自分の json ファイルがあるパスに変える必要がある点だけ注意する。サンプルプロジェクトだとこんな感じになる。
<script type="text/javascript"> $(function () { window.swaggerUi = new SwaggerUi({ - url: "http://petstore.swagger.wordnik.com/api/api-docs", + url: "http://localhost:8080/data/", dom_id: "swagger-ui-container", supportedSubmitMethods: ['get', 'post', 'put', 'delete'], onComplete: function(swaggerApi, swaggerUi){ log("Loaded SwaggerUI");
サンプルプロジェクトのコード差分 - introduce swagger-ui
完成品を見てみる
うまくいくとこんな感じのドキュメントができる。
なお、サンプルプロジェクトは以下の手順で試せると思う。
git clone git@github.com:gong023/swagger-assert-sandbox.git cd swagger-assert-sandbox composer install ./bin/swagger ./bin/server # http://localhost:8080/swagger-ui にアクセス
こんな感じで、何はなくとも swagger の面倒臭さだけは伝わったと思う。 面倒くさいが、代わりに仰々しいまでのドキュメントを得ることができる。API の実行環境が手軽に手に入るのも利点と言えば利点ではある。 swagger はカジュアル用途には向かないが、そうでない場合威力を発揮できる代物だと思う。
書きなおしたけど
https://github.com/gong023/nicoaudio
昔に書いたやつだけど、ちょっとひどかったのでまた書きなおしてみた。けど、設計とか色々うまくいかなかった。 Readmeの画像だけ差し替えてて楽しかった。
下目黒でシェアハウス始めた
パーティを11時で終わらせるな
という言葉があって、確かソーシャルネットワークだったと思うが、僕は割とこの言葉が好きです。
ところで、この7月から新しいシェアハウスに移ってみた。
- http://r7kamura.hatenablog.com/entry/2013/07/02/013533
- http://naoty.hatenablog.com/entries/2013/07/01
- http://blog.ainam.me/2013/07/15/%E5%BC%95%E3%81%A3%E8%B6%8A%E3%81%97%E3%81%9F/
ここの人たちに声かけて住み始める前、僕はギークハウス高円寺とギークハウス水道橋というところにいて、それぞれ思い出深いところではあったのだけれど、色々あって今の形に落ち着いた。
ギークハウス高円寺という場所は、個室が一切ないシェアハウスで、一つの部屋に二段ベッドが2つで計4人、それが3部屋ある古い一軒家だった。住民間の距離が(物理的に)とても近く、かえってそれが良い方向に働いてとてもアットホームな場所だった。距離が近いとそれなりにたまるストレスもあるのだけれど、それ以上に住民間で色々話してゲラゲラしてた思い出が多くて、思い返してみると楽しかったなぁと素直に思う。ここに住んではじめて僕は、家族でもなければ恋人・友人とも違う「住人」という特殊な対人カテゴリを得た。
シェアハウスの住人というのはとても不思議な人間関係で、所詮は他人なので大切な部分はお互いなかなか話さない。けれど、一緒に住んでいるうちに積み重なって共有される時間とか物事がなんとなく意味を持ってくる。どうもうまくは言えないのだけれど、とにかく僕はそうやって安易に得られる人間関係に居心地の良さを感じた。一人でいるのが好きなくせして寂しがり屋な人はシェアハウス向いていると思う。
高円寺には一年以上いたのだけれど、社会人になってからは個室ナシの空間はキツイなーと思い、個室があるギークハウス水道橋というところに移った。水道橋は、当時ギークハウス文化の中心地だったと言っていいと思う。地理的にも東京の中心に位置していて、色々な場所から色々な人が集まってきた。もはやギークという概念はその文化の一部でしかなく、リビングにはプログラマ・ニート・就活生・スナック勤務のおねーさん・DJ・芸術家の卵・平田ガールズ・その他よくわからん人が曜日とか関係なく集まってきた。いや。ほとんど平田ガールズだった気がしてきた。どうだろう。あとそういえば漫画の「シマシマ」でしかみたことない添い寝屋という人を始めてみたのもここだ。 水道橋はとても人が「濃い」場所で、僕は毎夜毎夜「東京はいろんな人いるなぁ」と思っていた。リビングは人の流れのうねりのような吹き溜まりのような場所で、とにかくそこに人が集まっていることが奇跡のような感じがしたし、僕はそれを眺めているのが好きだった。
話は全然違うのだが、秋葉原にMOGRAというクラブミュージックの有名な箱があって、気分がいい時にいくととても楽しい。僕が行くのはだいたいアニマトかボカマニで、特にアニマトなんかはオールナイトでやってるから、イベントの時間が深くなるにつれて、どんどん日常生活から遠ざかる感じがする。日をまたいだ頃に終電がなくなって、2時ぐらいに酒回ってハイになって、3時過ぎた頃に足が痛くなって、それでもどっかの原住民みたいに踊ったり跳ねたり叫んだりしてると、だんだんよくわからん感じになってるけど爆音は爆音で、とにかく気分だけが気持ちよく吹っ飛んでいく。 こんな激しくはないけど、僕が水道橋で感じた感覚は割とこれに近いんじゃないかなと思う。なんかよくわからんフロアの一体感みたいな空気に酔って、あーもう隅っこのほうで溶けてるわみたいな気持ちになってくる。
そういう空間において、そこにそういう音楽とか映像が流れているということに実はそれほど強い意味はなくて、とにかくそこにそういう空気が成り立っているのが最も大事なことだと思う。夏祭りもだいたい同じ原理だ。あれが祭りとして成り立っているのは祭事が行われるからではなくて、夏休みに行われるからだし、浴衣を着ていいことになっているからだし、まぁとにかくそういう様々な要因を組み合わせて奇跡的なバランスでそうなっているのであって、それを大事にしないことには祭りは祭りたりえない。
水道橋もそういうバランスの上に成り立っていたのだけれど、残念ながらある日それは失われてしまった。 早い話、そういう空気が許せない人たちの希望によって、内部的から崩れた。夜中はゲスト来訪禁止というルールができたし、他にも善意で行われていたことがルールになって、保たれていた曖昧さは崩れた。一応断っておくが、そういう人たちを批判する気持ちは一切ない。バランス感覚が違えばそれまでだと思う。部屋キレイになったし。 ただ、ゆるい連帯の中で曖昧に生まれたものでしか本質的ではないと思う。
水道橋の出来事は、僕にはパーティーが11時で閉まってしまった感じがした。終電前のイベントには意味がない。 だから、新しく声かけてシェアハウス作ってみることにした。 流れに身を任せるけど、ここが二次会会場になればいいなとぼんやり考えている。
しかし他の住人はエンジニアとして全員が全員で僕なんかより10倍も20倍も優れている人たちなので、結構死にたい。 家の設備とかについては他の住人がもう書いてたしなるべくスピリチュアルな事書いてみた。 声かけたらなんかすごい人来ちゃった感あって死ぬ。 それにしてもブログ塩漬けにしてたし、元々プライベートなこと書かなかったのでなんか恥ずかしい。振り返ったら長くなった。
「長い。三行で。」と言われそうなので三行でまとめます。一行、いや二行でいいです。
http://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/31WJYTS73D19K http://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/2DFLW2BAK8HT/ref=cm_sw_r_tw_ws_Bj.4rb0JQ70B6
ひっそりとあげ
ニコニコ動画のランキングから動画を落とす&mp3にするスクリプト作った
作りました。
https://github.com/gong023/nicoaudio
もちろん全部の動画落としてくるわけじゃなくて「歌ってみた」とかそのへんのmp3にする価値があるやつを狙って変換します。あと、処理が終わったらtwitterのDMで処理にかかった時間と成功or失敗をお知らせしてくれます。
2,3ヶ月前からcronで毎日回して運用していますがそこそこ動作が安定してきた。これのおかげでだいぶ楽になりました。新しい曲を何もしなくても毎日聞けるのはいい。
READMEに簡単な使い方書いてあります。もし使いたい場合はどうぞ。(といってもcloneするだけじゃ動きません。READMEもいつかはちゃんと最後まで書きます)
作っていて気になっていたことを書きます
rubyのマルチスレッド
このスクリプトはruby1.9.3のマルチスレッドを使って動画のDLを行なっています。ベンチマークを取ってみたら処理速度が5倍になっていてビビりました。
マルチスレッドなし --
D, [2012-08-23T04:39:06.525075 #16552] DEBUG -- : get / all / 3.560000 5.090000 8.650000 (1638.229236)
マルチスレッドあり --
D, [2012-08-23T04:08:10.576479 #16269] DEBUG -- : get / all / 4.200000 6.380000 10.580000 (319.074013)
rubyは1.9.1からカーネルスレッドになったらしいのですが、特別な事情がない限りスレッドセーフになっていて、なんちゃってマルチスレッドみたいになっています。ただIOが絡む場合は別で、今回はそのケースに当てはまるのでちゃんと効果が出たみたいです。
その辺りを検証してくれているブログもありました
http://www.kaeruspoon.net/articles/726
MySQL
無駄にmysql使ってます。videoのidが一意であることを保証するためです。それだけです。ええ。
完全に大げさ。
yamlでいいじゃんといえばそれまでなんですが
insert ignore楽じゃん。indexもあるしさ
その他
- もっとrubyの黒魔術使いたかった
- なんか書こうかと思ったけど忘れた
せっかくmp3がとれたので今はブラウザでプレイヤー作ってます
ニコニコ動画のランキングからmp3を自動抽出
タイトルの通りですが、ニコニコ動画の総合ランキングから適当な単語を抽出してそれをmp3に自動変換してくれるスクリプトを作りました。
ただしあんまり完成度は高くないので、しばらく個人で運用して使い勝手とか高めていきたいなーと思っています。
糞糞糞うんこコードですが一応githubにもさらしました
https://github.com/gong023/nicoaudio
処理の手順としては
- ニコニコ動画のランキングをとってくる
- そのなかで「歌ってみた」とかを含むタイトルの動画を日時と一緒にMongoDBに保存
- mongoDBの情報をもとにニコニコAPIで動画(mp4)を取得
- mp4をffmpegでmp3に変換
すごく有り合わせのものでいい加減に作ったのでこのスクリプトのいい所なんてぎりぎり動く所ぐらいなのですが、リファクタ&機能追加はしていきたいなーと思います
とりあえず
- スクリプトをrubyで統一(getflv...)
- webインターフェースの作成
- ブラウザからDLできるようにしたい
- 検索するキーワード指定できるようにしたい
- カテゴリ選べるようにしたい
- ある程度ランキングの期間指定できるようにしたい
これぐらいは考えてます。まぁいつできるか知りません。
昔はいろいろブラウジングしながら好きな曲とか見つけてたんですが、まぁさすがに色々忙しくなってきてなかなかそういう時間をとるのが難しくなってきました。で、ある程度自動化できることはできたらいいなぁと思って今回のようなスクリプトを書いてみました。こういうのエンジニアリングで解決できるのは楽しいです